AI検索分野の「注目株」ペルプレクシティ(Perplexity)が、小売大手アマゾンと衝突している。2社は火曜日に共同で発表し、アマゾンがペルプレクシティ傘下のAIショッピングアシスタント「コメット(Comet)」を正式に「追放」したことを明らかにした。アマゾンはコメットがオンラインストア内で買い物をする際、自身のAIエージェントの真正な身分を明かさずに「幽霊のように」行動し、アマゾンの利用規約に違反したため、複数回警告しても改善しなかったことから、最終的に厳しく措置を取った。
ペルプレクシティは迅速に激しい反論を展開し、「いじめはイノベーションではない」というタイトルのブログを投稿した。同ブログでは、「この週、ペルプレクシティはアマゾンからの攻撃的な法的脅威を受け、コメットユーザーがアマゾンでAIアシスタントを使用することを禁止するよう求められた。これはアマゾンがAI企業に対して初めて行った法律的な対応であり、すべてのインターネットユーザーにとっても脅威である」と述べた。
この論争の核心には、哲学的な問題がある。AIエージェントとは誰なのかという点だ。ペルプレクシティは、エージェントが人間ユーザーの指示に従って行動している以上、それらは人間ユーザーと同じ権限を持つべきだと主張している。つまり、自分たちの身分を明かす必要はないという見解である。一方でアマゾンは鋭く反論し、他の人間ユーザーを代表する第三者エージェント(例:配達アプリやオンライン旅行代理店)は、自分の身分を明確に示すと指摘した。
アマゾンが言うように、コメットが単純にエージェントの身分を明かせば問題は解決するかもしれない。しかし、真の「悪魔」は細部に隠れている。ペルプレクシティは、コメットが仮面を脱ぐと、自社の購入ロボット「ルーファス(Rufus)」を持つアマゾンが即座にそのアシスタントを完全にブロックする可能性があると懸念している。アマゾンの声明にも殺気を感じる。「我々は、他社の商品を顧客のために購入する第三者アプリケーションが、公開透明性を持って運営し、サービス提供者がその参加を許可するかどうかを決定する権利を尊重すべきだと考えている。」
ペルプレクシティは、アマゾンの本当の動機を明らかにした。AIロボットは広告や製品の宣伝の「天敵」である。洗濯カゴを買うというタスクを与えられたAIアシスタントは、人間のように気を散らすことはなく、より高価なアップグレード品を誘導されることもないし、閲覧中に偶然にベストセラー本や割引ヘッドホンを押し付けられることもない。
実際、このような「似たような」衝突は数ヶ月前にも起きていた。当時、ネットワークインフラサプライヤーのCloudflareは、ペルプレクシティが意図的に身分を偽装し、サイトのAIロボット拒否リクエスト(bots.txt)を回避してコンテンツを収集していると研究で指摘した。面白いことに、そのとき多くの人々がペルプレクシティを擁護し、AIがユーザーの指示に従って特定のサイトにアクセスしているだけだと考え、人間が操作するブラウザと同様だとした。
しかし、ペルプレクシティがそのとき身分を隠す「疑わしい手段」によって、後にトラブルになるリスクを抱え込んでいたことは事実だ。メディアが指摘したように、あの出来事は、シリコンバレーが予言した「AIエージェントの世界」が実際に到来した場合、私たちが直面することになる混乱の予兆だった。消費者や企業が買い物、旅行予約、レストラン予約などのタスクを完全にAIアシスタントに任せたときに、ウェブサイトはそれらを完全にブロックすべきか、それとも新たな共存方法を探すべきか?
