ただの旅行の集合写真をアップしたつもりでも、AIの大規模モデルの「火眼金睛(かがんきょう)」によって、その写真はあなたの住所や身分証番号、家族関係、さらには行程履歴を漏洩させているかもしれません。2025年の世界インターネット大会の期間中、中国中央テレビ(CCTV)は珍しく危険な警告を発しました。マルチモーダルAIの普及に伴い、見かけ上無害な日常の画像がプライバシー漏洩の新たなブラックホールになっていることが明らかになり、一般ユーザーはほとんど防備ができていません。

サイバーセキュリティ、プライバシー

図の説明:画像はAIによって生成され、画像のライセンス提供者はMidjourneyです。

AIの「読図術」は人間の想像をはるかに超えている

サイバーセキュリティ専門家は、現代のAIが顔やナンバープレート、証明書の文字を識別できるだけでなく、文脈から推論して機密情報を復元できることを指摘しています。例えば、空港の搭乗券の写真であれば、AIは名前、便名、座席番号を抽出し、公開データを組み合わせて常住都市を推測することができるのです。子どもが着ている制服の写真であれば、AIは学校のロゴを識別し、家庭の住所と関連付けることもできます。また、背景にぼんやりとした宅配ボックスが写っていれば、受取人のフルネームや電話番号が暴露される可能性もあります。

さらに恐ろしいことに、研究者たちは新しいAI攻撃方法を発見しました。悪意のある攻撃者は高解像度の画像に「目に見えないヒント」を埋め込み、プラットフォームのAIが画像を自動的に圧縮またはサンプリングする際に、これらの指示が誤ってアクティブ化され、大規模モデルにデータの盗難、偽造、または漏洩を実行させることがあります。ユーザー自身は、自分が「AIにデータを渡した」ということを知らないうちに、すでに許可を与えていることになります。

CCTVが指摘する3つの危険な行動、誰もが該当

現在のリスクに対応して、CCTVは絶対に共有してはいけない3つの内容を特別にリストアップしました:

1️⃣ 交通チケット:列車の切符、飛行機の搭乗券、車のナンバーなど、名前、身分証の後4桁、行程情報などが含まれています。

2️⃣ 個人証明書:身分証、パスポート、運転免許証、結婚証などの高精細写真は、まるでプライバシーを「パッケージングして」ハッカーに送っているようなものです。

3️⃣ 実時間の位置情報+子供・高齢者の情報:子供や高齢者を晒しながら場所を示すことは、正確な詐欺や児童拐取などの犯罪に使われる可能性があります。

AI時代、プライバシー保護は「積極的な防御」が必要

専門家は、ユーザーがデジタルセキュリティ意識を向上させるよう呼びかけています:

写真を投稿する前には重要な情報をマスキングすること(背景も確認する必要があります);

ソーシャルメディアの自動地理タグ機能をオフにすること;

AIで画像修正や拡張を行うようなサードパーティツールを使う際は注意深くすること、オリジナル画像を未知のサーバーにアップロードしないようにすること;

ファミリーグループや友達のフィードであっても「安全な場所」ではないので、情報が流出すれば取り返しがつきません。